2022年度は、地政学リスクの高まりなどを背景に資源価格の高騰や物価の上昇、さらにサプライチェーンの動向に変化が見られるなか、顧客である半導体メーカはPC・スマホ・民生機器など最終製品の需要鈍化によりIC向けの設備投資を抑制する動きがみられました。一方世界的な電気自動車(EV)シフトや脱炭素社会に向けて需要が高まるパワー半導体向けの投資を活発化させるなど、用途によって強弱感がみられました。
このような事業環境において、当社は半導体メーカの研究開発用投資やパワー半導体向けの需要が好調だったことから工場はフル稼働を継続し、グラインダを中心に精密加工装置の出荷は過去最高となりました。また、為替影響の追い風や顧客への付加価値提案の継続などにより売上総利益率が上昇し、3期連続で各利益における最高益を更新しました。
株主還元につきましては、配当方針に基づき、業績連動型の配当に加え、余剰資金からの追加配当を上乗せして1株あたりの配当金は634円(年間で916円、過去最高)とさせていただきました。
足元は依然としてPC・スマホなど最終製品の需要が低迷しており、IC量産用途向けの設備投資がいつ回復するかは不透明な状況ですが、EVシフトや省エネ需要拡大を背景にパワー半導体向けの出荷は引き続き高い水準で推移すると見込んでおります。
脱炭素社会を支えるSiCパワー半導体や生成AIの性能向上に欠かせない画像処理半導体など、半導体の重要性が増す中、顧客からいただく技術開発テーマ数は増加の一途であることから、今後も中長期的に成長する見方に変化はありません。
当社は引き続き「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」に全力で取り組むことでステークホルダーとの価値交換性の向上を図ってまいります。
今後も企業理念である「DISCO VALUES」やWill会計、PIM活動など組織経営と事業経営の両面に注力し「会社を強くする」ことで企業価値向上を図ってまいります。
ステークホルダーの皆様におかれましては一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2023年6月
代表執行役社長 関家 一馬