緊急時に備えた体制づくり(BCMの取り組み)

ディスコはいかなるときもお客さまが安心して当社製品をお使いいただけるよう、地震などの自然災害や未知の感染症の脅威に備えた体制作り「BCM(=Business Continuity Management)」に取り組んでいます。お客さまの生産を維持するために不可欠な製品/サービス提供するための最新の状況についてご紹介します。

自然災害に対して

ディスコの生産工場と本社がある日本は地震の多い国です。さらに近年、大雨、洪水、また大雪などによる災害もしばしば発生しています。これらの自然災害に遭った場合にも、お客さまに安心してディスコ製品を使い続けていただけるよう、備えを進めています。緊急事態で優先すべき事項を明確にし、対策のための経営資源を集中し、実行しています。

  1. 従業員の安全確保
  2. 近隣社会への貢献
  3. 砥石製品の供給維持
  4. 装置修理サービス維持と修理部品の供給維持

パンデミック(感染症の世界的流行)に対して

災害や感染症への備えに完璧はありません。より完璧に近づけるべく常に改善し続ける必要があります。ディスコグループ全社を対象に「従業員から一人も感染者を出さない」「もし罹った場合には感染を拡大させない」「状況に応じた事業継続ができる体制を整える」ことを目指し、感染症への備えを進めています。

ディスコでは2008年6月より、新型インフルエンザの感染拡大を想定した準備を開始しています。検討にあたり、まずパンデミックプログラムメンバーが感染症全体への理解を深め、その上で経営とともに対策を立案しました。さらに2009~2010年に世界的に流行したH1N1インフルエンザでは、実体験を踏まえ、対策のバージョンアップを行いました。感染防止対応はパンデミック発生時だけでなく、日常に溶け込ませることが重要です。例えば、毎日、出社前に検温を行うこと、そして、発熱などの体調不良時に無理を押して出社しない、という基本的な行動です。これを実現するため、適切に休暇を取れるよう人事制度を見直しました。他にもマスクや消毒液の備蓄を進めています。

自然災害に強い生産拠点づくり

2015年以降、すべての精密加工ツール・精密加工装置を免震構造棟で生産できる体制を整えました。建屋には、停電時でも生産・出荷を継続できるよう、自家発電機及びその電力で稼働できる装置運搬用エレベータを設置しています。2021年8月に増築が完了した桑畑工場A棟は全館免震構造建屋で、さらなる生産体制増強を図っています。
精密加工ツールを生産する呉工場は瀬戸内海沿岸部に立地しているため、津波・高潮の被害を想定した対策を講じています。万が一の浸水に備え、製造・製品出荷・検査工程を上層階に置き、工場外周には津波による被害を抑制する防潮堤・防潮板を設置しています。

また、2018年4月に長野事業所・茅野工場を開設し、既存棟(A棟)での生産を開始しました。2021年1月竣工したB棟も免震構造であり、茅野工場の規模は約7.5倍に拡大しました。順次、精密加工ツール・精密加工装置の生産エリアを立ち上げることで製品供給体制を増強いたします。また、広島・長野双方で全製品を生産できる体制を構築することで、災害に備えたリスク分散を図ることが可能となります。

ほかにも2019年には発電車両を導入し、非常用電源の確保を行いました。生活用水についても、平時は福利厚生用で利用するプールの水の利用を可能としており、災害時インフラの整備を進めています。

POINT
「高圧発電車両」モノもヒトも内製化
災害による停電等の電力供給停止に備え、高圧発電車両(800Kw)を導入し、運用しております。
外注に頼らず、操作や点検対応も自社内で完結させることで、災害時にもすぐに活用出来る体制を構築しております。

高圧発電車両(800Kw)

操作/点検訓練の様子

災害に見舞われた際におけるディスコの復旧目標

ディスコは、精密加工ツール・精密加工装置の製造・出荷、装置メンテナス部品の受発注という事業群に対し、災害で被害を受けた場合のそれぞれの復旧目標時間を設定し、公開しております。

事業継続に関する目標を明確にし開示することで、ステークホルダーの皆様の安心に繋がると考えております。

自然災害に強いヒトを育てる

ディスコはBCMの最大のポイントを「一人一人が自分の身を守れること」であると考え、従業員やその同居家族自身の環境におけるリスクを認識し、そのうえで必要な準備や身を守るための行動促進に努めています。例えば、自らの居住する地域の地震、水害などのリスクの認識、家族構成に応じた備蓄、寝室に倒れるような家具を置かない、といった対策です。

各事業所において、地震などの揺れの最中、とっさの時にも行動できるよう、実際に体を動かして覚える訓練を定期的に実施しています。また、季節性インフルエンザや麻しん(はしか)といった感染症は、ワクチン接種はもとより、感染しない、感染を広げない行動をしていることが重要です。自らの体調変化に留意し、体調不良時は休む、日常的に手指消毒や手洗いを励行するなど、感染予防、感染拡大防止対策を日々の対応のなかで強化しています。

以上は一例であり、ディスコは役員から構成されたBCMコミッティ(事業継続活動の最高意志決定機関)を中心に、継続的改善に臨み、より一層お客さまが安心して製品をお使いいただける“企業体質の構築”を目指してまいります。

リスク対策の一例

BCMを維持、改善していくための体制

BCMを維持し継続的に改善していくためにISO22301:2019に準拠したマネジメントシステムを構築しています。
事業継続に関する弊社の標準回答はこちらよりダウンロード可能です。(更新日:2024年4月15日)


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